2010年6月5日土曜日
Mr.Bike休刊
たまたま本屋に行ってMr.Bikeが今月号で休刊と言うことを知る。
そう言えば大学生の頃は、部屋に山の様に積まれていたこの雑誌。
毎月必ず購入しなくなったのは何時の頃だったか?恐らくこの20年ほどは数冊程度は購読した記憶はあっても、毎月定期購入なんてしなくなっていた。
休刊と言う文字に懐かしさがこみ上げて、何時ごろからか装丁と紙質が立派になったこの雑誌を手にとっては見たのだが、パラパラとめくっただけで商品棚に返してしまった。
このあたりにこの雑誌が休刊に至った原因があるのかも知れない。
昔を懐かしむ訳でも、昔が良かったと懐古趣味に浸るわけでもないが、、、、
あの頃のMr.Bikeに比べ内容がちょっとも面白くないように感じた。
感じた、、、と言うのは記事が面白くないのは事実なのだが、
自分自身も、何を見ても読んでも面白いと思わないほど老成してしまったのだろうとも思う。
そもそもこの雑誌は何でもありの面白さが受けていた。
交通行政の矛盾、特に警察の不合理な取り締まりから切り込む硬派な反権力記事はバイク雑誌の自称「朝ジャ」じゃなかったか?
リレー形式の10000km耐久テスト、オーバー300km/h、バイクは男のロマンだ何て言うコラム群、俺もバイクフリーク、俺たちゃ街中のMr.Bikeなど、他誌とは違う視点、バイクに乗る人間そのものをネタにして、時にはシリアスに、時にはお笑いに、けど全てはバイクを通じて人の生き様を見せるなんてこの雑誌が昔は面白いと思っていた。
この雑誌からまたバイク界と言う狭い世界ではあるが、メジャーになった人間も多い。
東本昌平、佐藤信哉、故真田哲道、故広井てつお、板垣昌孝、三好礼子などなど。
だが、もう紙の雑誌からそんな情報を発信する時代ではなくなったと言うことだろう。
単に300km/h超なら今やYoutubeを見れば実際に映像で何度も見られる。
誰もバイクみたいな不合理な乗り物では遠くに行かないから10000kmなんて馬鹿なことはやらない。
やるのは昔を懐かしむオッサンだけ。
大体、バイクで生き様なんて語らないよ、格好悪い。
ってとこだろう。
バイクが特別な存在ではなくなった。反抗のシンボルでもなくなった。
若者は反抗なんて格好悪いし、したくもない。
バイクみたいな格好悪いものに乗って命落とすなら、サッカー見て皆と一緒に日の丸振ってるほうがよほど、自分の生き方にあっている。
なんて若者が増えた。
自ずと読者層は昔にしがみつくオッサンに限られる。
そんな変化に部数は減り、広告収入はどんどん減って継続する意味が見えてこないと言うことだと思う。
幸い、と言うかしぶとくMr.BikeはWebで復活はするらしい。
ただ東京エディタースはどうなるのかは知らない。
今後、紙で遺志を継ぐのは月刊RIDEとなるらしい。
青春時代なんて臭い言葉は言いたくないが、我が10代後半から20代のシンボルだった雑誌はこれで潰えた。
冒頭の写真は、手許に一冊だけ残る1982年6月号。