2009年2月11日水曜日

それでも乗り続ける天邪鬼

このご時勢、四輪だけでなくバイク界もご多忙にもれず不況らしい。バイクは道楽の世界なんで不況には強いなんて言われているがバイク屋の親父に言わせれば元々売れなかったのが、さらに売れなくなったらしい。しかもこの世界は高齢化の波をもろに被っている世界。40際、50歳のバイク乗りなんて当たり前、中には60歳過ぎや70歳過ぎて草レースを楽しんでいる人もいて傍目にはオッサン連中が元気だが、裏を返せば昔元気に走り回っていた我々の先輩世代がそのまま移行しただけの年齢構成。将来性なんて丸で無いのである。そう言えば我々が20代だったころ確かに50歳くらいで金に飽かしてBMだのドカだのハーレーだので速くも無いのに偉ばってるオッさんは沢山いた。逆に今の若い連中はバイクなんて見向きもしないほど健全でインドアな奴が多いんだとか。しかも恐ろしいのはこんな現象は日本だけでなくグローバルな現象なんだそうだ。
日本だけを見廻しても、我々の美意識には合致しないあの洋式便器みたいなスクーターに乗る若造が矢鱈と増えたが、よくよく考えればあんなモノで走り回ってい連中の中にテントと寝袋くくりつけて長距離を旅している奴なんてこれっぽっちも見たこともない。結局は大型スクーターとて、原付に毛が生えた程度の単なる下駄代わりでしかないのだろう。そんな点ひとつとっても将来性なんてあまり感じられない。最近は矢鱈と車高短にして車長の長いスクーターを見かけるが、あれも四輪しかもアメ車のイメージを金がないから仕方なく乗っている自分のスクーターに投影している訳で、既にその時点で四輪に意識の主役の座を奪われている。
十年前は想像出来なかった事だが、あと十年も経てば世の中から内燃機関を搭載したスポーツバイクなんて消滅するのだろうなんて事は、今の時代容易に想像できる。一時期復活した2ストロークが急速に姿を消したこの十年。今や地球温暖化はその影響が目に見えて被害をもたらし始め4ストロークの内燃機関も取り巻く環境は厳しい。環境対策であのカブにまでインジェクションが搭載される時代。内燃機関は既に成熟と言うよりは延命措置を施される遺物的存在になりつつあるのだと思う。となればこれからは電動バイクが期待されるわけだが、それが中々モノにならない。搭載性の低く重量も極端に重くできない二輪車と言う構造では電動化に欠かせないバッテリーやモーターを積むだけでも一苦労なのだろうし、しかも電動の場合、満充電でも航続距離が短くましてや電気スタンドなんてインフラも当然普及していない中で、スポーツバイクのこの惨状に、各社開発費をつぎ込んでまで電動スポーツバイクを作ろうなんて積極的に考えないのは当たり前の話。
恐らく電動の動力を搭載した二輪車でモノになるのは、残念ながらあの洋式便器の様なスクーターの形態なのだと想像する。どうせ長距離を旅をするなんてしないので航続距離が短く、荷物も積まないし速さも競わないのでスポーツバイクほど軽さに神経質にならなくても良い。ニーグリップなんてしないので股ではさむものなんて要らないし、、そうなると必然的にあんな形態に落ち着くのだと思う。
そもそも電動の動力は走り始めたときが最大トルクだ。と言うことは圧倒的な加速感がスポーツバイクの魅力だったのだが、今後は普通の四輪でも電動であれば圧倒的な加速が可能になると言う事でもある。しかも電動はある意味自由度の高いレイアウトを取れるので屋根のある個人向け四輪なんて言うのもありえる。そうなると益々モノグサでインドアが好きになって行く人類には益々スポーツバイクなんて不合理な乗り物は不要になるわけである。
我々は既に過去の遺物である。

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